研究課題
本研究では,コンクリートの強度レベルにおける爆裂性を評価するスクリーニング試験法としてリング拘束試験法を提案する基礎的資料を得る目的で,以下の試験を行った。すなわち,実大RCトンネルセグメントの耐火試験実績があるコンクリート配合を対象として,リング拘束供試体を作製し,耐火試験を実施し爆裂性状を比較した。加えて,熱応力と蒸気圧の性状も確認し,引張ひずみ破壊モデルを用いて爆裂深さの経時変化を推定した。その結果、下記の知見を得た。1)PP繊維無混入のHSCは爆裂を生じ,PP繊維を混入したHSC+PPは爆裂を生じなかった。実大RCセグメントの耐火試験の結果でも爆裂の有無の判定では同様な結果が得られたことから,リング拘束供試体の有効性が示された。2)引張ひずみ破壊モデルを用いて,爆裂深さの経時変化を推定した結果,10min程度まで爆裂深さを評価できることがわかった。今後,更に実大RC部材の耐火試験との比較を行い,リング拘束供試体の爆裂性評価試験の有効性検討する予定である。
2: おおむね順調に進展している
実大のRC耐火試験結果のあるコンクリート配合でリング供試体を作製できている点と、材齢1年後の供試体の作製もできており、本年度に実施予定である点で、おおむね順調に進んでいると考えている。
1)材齢1年経過したケースのリング拘束供試体の試験を実施する。2)PC部材の耐火試験とリング供試体の耐火試験結果を比較予定である。3)水蒸気圧を考慮したコンクリートの爆裂解析を実施予定である。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Construction and Building Materials
巻: 143 ページ: 322-329
http://dx.doi.org/10.1016/j.conbuildmat.2017.03.117
コンクリート工学年次論文集
巻: Vol.38,No.1 ページ: pp.1299-1304
巻: Vol.38,No.1 ページ: pp.1305-1310