研究課題/領域番号 |
16K06437
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小澤 満津雄 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (80313906)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | リング拘束供試体 / 爆裂 / 水蒸気圧 / 熱応力 / PP繊維 / RABT30 |
研究実績の概要 |
本研究では,異なる2種の繊維を用いた高強度コンクリートを対象としてリング拘束供試体の加熱試験を実施し,爆裂抑制効果を検討した。すなわち,爆裂抑制繊維はポリプロピレン繊維と天然のJute繊維を用い,加熱曲線はRABT30加熱曲線とした。計測項目は拘束応力と水蒸気圧および爆裂深さとした。その結果,天然繊維を用いた場合,繊維混入無しと比較して爆裂が生じなかった。また,Jute繊維を用いた場合,拘束応力の抑制効果が確認できた。また、実大RCトンネルセグメントの耐火試験実績があるコンクリート配合を対象として,リング拘束供試体を作製し,耐火試験を実施し材齢の影響を検討した。すなわち,材齢は2ヵ月と12ヵ月とし,加熱曲線はRABT30 を用いた。リング拘束試験において拘束応力と水蒸気圧および内部の温度を計測し爆裂性状を比較した。PP繊維混入の有無の影響も検討した。その結果,PP繊維無しのケースで材齢2ヵ月のものは爆裂を生じたが,材齢12ヵ月では爆裂を生じなかった。また,PP繊維混入有りのケースでは,材齢2ヵ月と12ヵ月ともに爆裂を生じなかった。さらに、リング拘束供試体の加熱試験を対象として軸対象モデルを用いた2次元FEMによる爆裂解析を実施した。すなわち,熱応力説は引張ひずみ破壊を考慮し,水蒸気圧説は飽和水蒸気圧(SVP)の限界水蒸気圧値を組み込んだ。加えて,加熱に伴う水分移動と潜熱の影響を考慮して比熱の変化で組み込んだ。その結果,リング拘束試験における爆裂深さの経時変化を解析で評価できる可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リング拘束供試体に与える影響と実RC部材との比較を実施できている。また、解析手法も検討しており、順調である。
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今後の研究の推進方策 |
さらに、部材レベルの加熱試験結果とリング拘束供試体の加熱試験との比較を行い、データの蓄積に努める。解析手法として、PP繊維の影響、比熱、含水率のモデル化を進める。
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