本研究では,ジオポリマーの製造過程と耐久性(白華の有無)との関係性評価,反応性骨材を使用したジオポリマーコンクリートのASRに対する抵抗性評価および部材に適用した場合の耐久性について検討を実施した。 緻密化評価については,コンクリート試験体を対象に,養生時間を変化させた場合の,同試験体の一部を浸水させて生じる白華(炭酸ナトリウム)発生量をもとに,製造過程と白華の有無についての関係性を評価した。この結果,24~48時間で最も高い耐久性を示した。24時間未満の場合は,加温時間が短時間であるほど粗な構造になることから白華が発生しやすく,48時間以上の場合は,縮合重合反応による短時間での収縮現象を促進させるため,緻密な構造が担保されず白華が発生しやすい。 ASRに着目した反応性骨材使用時の膨張に対する抵抗性評価については,セメントコンクリートで顕著な膨張を示す安山岩系粗骨材,細骨材を用いて,静置温度と反応性骨材の含有率とをパラメータとして膨張試験を実施した。この結果,材齢16週時点で20℃,40℃,60℃の静置環境ではいずれも0.03%未満の膨張であることが確認された。また,反応性骨材の含有率についてみると,0~100%のいずれの場合においても0.03%未満の膨張であることが確認された。以上より,本研究で作製したRC部材として使用が可能な30MPaのジオポリマーではASRに対する抵抗性は極めて高いことが示された。 この成果は,平成30年度土木学会西部支部研究発表会にて報告された。 はりの耐久性評価については,70℃の蒸気養生で作製したジオポリマーはりを屋外環境に曝露した。ジオポリマーでは,養生時間が短期のケースの方が雨水によるモルタル部の消失が顕著であり,一部で骨材が露出していた。この要因として,縮合重合は反応が不十分で未反応のナトリウム等とともにアルミナも溶出したことが考えられる。
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