本研究の目的は、トンネルや橋梁などの土木構造物の点検に用いられている打音検査の検査技術の向上のための打音記録装置(打音レコーダ)の製作と、国際競争力の強化を目的とした欠陥情報データベースの構築である. 打音レコーダとは、打音検査時の検査記録を収集する検査記録装置であり,すべての検査結果を記録する.使用する装置は、普及を目的とするため,市販のビデオカメラをベースとして開発した.記録内容は,検査箇所の映像,打撃音および打検ハンマの加速度である.検査箇所の映像は,ヘルメットなどに取り付けられたビデオカメラにより録画される.打撃音はマイクロフォンより,加速度は打検ハンマに取り付けられた加速度センサにより計測され,ビデオカメラのマイク端子(ステレオ)に入力することで動画の音声データとして各チャンネルに保存される.この動画は一般的に利用されているファイル形式なので、様々な機器で再生が可能である.また,欠陥情報データベースでは,検査記録の閲覧機能のほか,打音レコーダによって記録された動画から打撃時の画像と打撃音および加速度の時系列データを抽出や,打撃音の周波数解析や打撃力の推定する処理プログラムを開発した. 最終年度の令和元年度は、成果発表の準備と打音検査装置の改良を行った.まず,打音検査装置の改良として,平成29年度に製作した打音レコーダについて,マイクロフォンのノイズの軽減および、最適な設置位置について検討を行った.これまでの研究成果については,2021年開催の20th World Conference on Non-Destructive Testingにて発表予定である(新型コロナウイルスの影響により延期)
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