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2016 年度 実施状況報告書

海水作用を受けるコンクリートの局所劣化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K06456
研究機関国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所

研究代表者

山路 徹  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 領域長 (10371767)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードコンクリート / 海水劣化
研究実績の概要

本研究は海水作用を受けるコンクリートの局所劣化(海水劣化)のメカニズムを解明するとともに,その劣化対策および周辺技術を開発することを目的としている。平成28年度には,以下の3点について検討した。
[1]海水劣化の発生条件を明確にするため,既往の調査結果を再整理した。整理の結果では,コンクリートの海水劣化は材料等に依存せず,同じコンクリートであっても劣化の発生の有無にばらつきがあった。また,海水劣化したコンクリートを分析した結果,微細なひび割れが多く発生し,その中をエトリンガイトやブルーサイトが充填している状況が確認できた。マクロな海水劣化の予測モデルとして,Mgの浸透深さを指標としたモデルを提案した。
[2]セメント硬化体の体積変化について,海水の乾湿条件等をパラメータとして,長さ変化をモニタリングする実験を開始した。現状で目立った変状は認められていないが,幾つかの要因では緩やかに膨張が始まった。また,試験途中で幾つかの試験体が破損した。したがって,平成29年度の実験では,試験体の寸法・形状を工夫して改めて実験することを考えている。
[3]熱力学相平衡計算ソフトウェアであるGEMSを用いて,海水劣化の条件について検討した。その結果,海水濃度がある一定の領域で体積膨張する可能性が示された。海水とNaClの比較から,体積膨張には硫酸イオンの影響が強いことが分かった。次に,幾つかの条件(海水組成,材料組成)で,エトリンガイトの生成条件について検討した。さらに,海水が相組成に及ぼす影響について感度解析を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り順調に進んでいるため。ただし,実験では幾つかの試験体で破損が生じ,後述する通り追加実験が必要と考えている。

今後の研究の推進方策

平成28年度に引き続き,計画通り進める予定である。平成28年度に破損した試験体があるため,平成29年度には追加実験することを考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 熱帯(サバナ気候)環境下において長期間暴露されたサンゴ骨材を用いたコンクリートの諸特性2017

    • 著者名/発表者名
      山路徹
    • 雑誌名

      コンクリート工学

      巻: 7 ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 長期海洋暴露試験に基づく高炉スラグ微粉末の置換率 を変化させたコンクリートの塩分浸透性に関する検討2017

    • 著者名/発表者名
      与那嶺一秀,山路徹,審良善和
    • 学会等名
      第44回土木学会関東支部技術研究発表会
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 年月日
      2017-03-07 – 2017-03-08

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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