本研究では,橋梁定期点検において発見された桁中間部の軽微なさびや腐食に対して,素地調整を省略してスプレー塗料で対策する応急塗装を提案し,その有用性を確認した.具体的には,軽微な腐食を模擬した試験体に応急塗装を施し,複合サイクル促進試験によって換算5年の板厚減少量の変化を求め,腐食抑制効果を確認するとともに,現場適用試験による実橋に対する応急塗装手法の劣化抑制効果も確認した.その結果,素地調整を省略して,橋梁点検時に応急的なスプレー塗装を行うことは,さびをそのまま放置するよりも,腐食抑制効果があることが確認できた.
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