研究課題
基盤研究(C)
本研究は,既存鋼橋の補修・補強法である鋼板高力ボルト接合において,現場ですべり係数を十分に確保できない場合の対策として,ボルト孔に樹脂を充填する工法に着目し,充填した樹脂による支圧効果を明らかにした.また,鋼板高力ボルト接合補修された断面欠損部材が受持つ断面力の推定式を与え,ボルト孔に充填した樹脂が断面欠損部の補修効果に与える影響も明らかにした.さらに,高力ボルト摩擦接合による当て板補修部のボルト孔に充填した樹脂が50~60℃程度の高温下にさらされた場合の樹脂の支圧効果も明らかにした.
鋼構造学,維持管理工学,構造工学
既存の鋼橋の鋼板高力ボルト補修・補強において,断面欠損部材が受持つ断面力を明らかにすること,および,すべり係数の確保が困難な場合への対策(ボルト孔に樹脂を充填する工法)は,技術力の向上として学術的にも意義があり,社会貢献につながる成果であると考えている.