腐食劣化が進行した耐候性鋼橋梁の内,特に,表面処理が施されたものの,腐食の進行が著しい部位から六価クロムが検出されることが確認された.橋梁の桁内で曝露された表面処理仕様試験片の調査からは,表面処理剤の劣化や鋼材の腐食の進行が Cr(VI)の溶出と関連していることが示唆されたことから,表面処理剤の劣化や鋼材の腐食の進行が Cr(VI)の溶出と関連していると考えられる. 橋梁の場合,振とう溶液中のpHが高いとCr(VI)の溶出濃度が高く,振とう溶液が高いpHを示す腐食生成物には,Naと無機炭酸が含まれている.このことから,無機炭酸の供給が六価クロムの濃集や溶出に関連していることが明らかとなった.
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