Xバンドレーダにより,茨城県神栖市須田浜の約5 km汀線位置分布を連続的に観測した.さらにSAR衛星の観測結果を収集し,10年間にわたる鹿島灘南部(鹿島港南端部~波崎漁港)16 kmの汀線位置を追跡した.経験的固有関数法(EOF)により汀線変動を解析したところ,季節的な変化(岸沖方向)と長期的な変化(沿岸方向)に分離できることを確認した.前者の変動は波の入射エネルギーの大小と関連性が高いことを示した.一方,後者の変動は沿岸漂砂フラックスによるものと考えられ,向きと大きさの変動をおおよそ波浪と関連付けられるが,波浪に加えて流れの影響を加味して詳細に理解する必要も判明した.
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