研究実績の概要 |
現地調査に関しては,申請者らがこれまで継続してきた現地調査を更に進め,植生の繁茂状況,成長度合い,砂州上の地形調査をそれぞれ年3回調査し,3年間で合計12回調査を実施した.また,調査対象地区で春と秋に河床材料を調査した.加えて春夏秋冬の年4回ドローンを用いて空撮して植生の拡大状況なども調査した.平成30年7月豪雨の際には,旭川の調査対象区域で4000m3/sを上回る平成10年以来の出水があったため,ドローンによる直生倒伏,流失状況調査に加えて,河床変動,低水路の形状変化調査を行った. 2年度目に実施したグリーンレーザを用いた水面下も計測可能な航空レーザー測深(ALB)の結果を用いて,同洪水のシミュレーションを実施した結果,痕跡水位と大変よく一致することが示された.また,水際付近の植生の流失の精度向上を図るために,側岸浸食部における樹木の流失・倒伏状況と解析より得られる河床せん断力との関係を明らかにした.また,側岸浸食に自動的にサブメッシュを作成して側岸浸食部の移動を精度良く再現するモデルの提案のためにメッシュの自動分割プログラムを作成した.この解析の妥当性を検討するために,模型実験を実施した.模型実験では,砂州が冠水する条件と冠水しない条件で実験を行い,砂州前縁部での側岸浸食の進行度合いのデータをビデオ撮影や写真解析により得ることが出来た. 以上の研究の結果,来年度以降,メッシュの自動分割プログラムを河床変動解析に導入した結果と実験結果との比較により,提案したモデルの妥当性と精度向上効果を検討する. 今年度の研究成果は土木学会論文集等で発表した.
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