一級水系・那賀川にある特色ある橋本林業林地(針広混交複層林,択伐式施業)を対象とした水文観測・流出解析を行い,その洪水低減機能の定量的評価,および那賀川上流域の森林改変による洪水低減機能の向上について検討した. 研究の結果,橋本林業林地の遮断蒸発率は20%と一般的な林地のそれと同等であったが,近隣の森林より洪水低減機能にやや優れると推察された.その理由は表層土壌層厚と地表面抵抗の大きさにあると考えられ,林相が反映されたものだと考えられた.長安口ダム上流域の針葉樹林を橋本林業式に改変した流出シミュレーションから2014年台風11号洪水の場合,ビーク流量を7%低減することができると推察された.
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