本研究は,ダム下流で見られる流路が固定化した礫床河川を対象として,礫の移動性の向上と流路変動の促進に及ぼす覆砂の効果を明らかにすることを目的としている.研究の結果,覆砂によって表層礫の移動性が向上することを明らかにし,礫の移動に効果的な覆砂層厚は礫粒径の0.4~0.5倍程度であることを示した.また,流路変動は低水路肩の侵食と低水路床への砂礫の堆積によって進行することを明らかにし,流路変動に効果的な覆砂層厚は礫粒径の1.1~1.2倍程度であることを示した.また,平面二次元河床変動モデルによって流路変動の基本構造に関する実験の再現性を確認した.最後に,現地で覆砂を行う際の留意点について提示した.
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