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2016 年度 実施状況報告書

種々のスケールに応じた海氷の熱・変形・破壊挙動のマルチフィジックス解析手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K06525
研究機関国立研究開発法人土木研究所

研究代表者

木岡 信治  国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 主任研究員(移行) (20414154)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード海氷 / DEM / マルチスケール / 破壊 / 離散体
研究実績の概要

まず,熱的環境を考慮した数値モデルの基礎開発を行った.本モデルのベースとなる個別要素モデル(DEM)において,構成する個々の粒子モデルに熱伝導プロセスのモデルを組み込み,DEMでも熱環境に応じて温度変化が計算できるモデルを構築した.これはメッシュフリーであるDEMの方が物体を構築しやすく,物体内の不連続性も考慮できるため,FEMよりも簡易に温度分布を計算できるというメリットも期待できる.さらに当該年度予定していた,粒子間相互の既存の結合法則をその温度変化に応じて変化させる事や,その数値モデルの妥当性を裏付けることを目的とした「実験系」として温度変化を考慮した人工海氷の衝突実験については諸事情により来年度予定とした.今年度は,来年度予定していた,人工海氷を用いた衝突実験のうち,面圧分布測定システムによる衝撃圧力分布等の測定のほか,繰り返し荷重による破壊特性等を把握するため疲労試験にも着手し,疲労強度・破壊・クラック生成・進展機構等,数値モデルの精度向上に資するデータを獲得した.さらに,三次元計算では不可能となる広域レベルとして,海洋,沿岸部での漂流計算を可能とするマクロなスケール(数百m以上)での数値モデルにも着手した.沿岸部や陸上遡上等で形成するice-jam,ice pile-up等の氷の離散体的挙動を再現するためDEMによる準3次元的な数値モデルの基礎を構築した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

諸事情により,当該年度に実施予定であった一部の実験と,次年度に実施する予定の内容を入れ替えたが,核となる数値モデルの開発状況は順調であること,実験予定入れ替えによる,遅れが生じた部分がある一方,進んでいる部分があること等から,総じて概ね順調と判断した.

今後の研究の推進方策

当該年度予定していた実験を次年度に行うことにより,今年度以降も概ね当初計画どおり研究をすすめていくことで問題はない.

次年度使用額が生じた理由

消耗品である,実験に使用するフィルム式面圧センサー(I-scan)が節約できたことや,物品が当初の想定価格よりやや安価に入手できたことなどによる

次年度使用額の使用計画

引き続き実施する人工海氷の実験関連に実施するフィルム式面圧センサー(I-scan)などの消耗品類に充てる

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公開日: 2018-01-16  

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