本研究では、様々な道路交通特性における時刻表の最適時間設定を明らかにするため、道路交通特性ごとの時刻表導入効果を想定する。始めに、規制区間の交通量と規制距離の組み合わせに応じた時刻表導入効果を想定した。これにより、交通量の大小、規制距離の短長に応じた適切な時間設定を明らかにした。交通量の少ない場合、短い規制距離では、短い設定通行可能時間の方が最適時間設定である。また、長い規制距離では、長い設定通行可能時間の方が最適時間設定であるとわかる。そして交通量が300台/hを超えると、長い規制距離かつ短い設定通行可能時間において、複数回停止車両が発生し始める。さらに、交通量500台/hを超えると、ほとんどの道路交通特性において複数回停止車両が発生するとわかる。 次に、時刻表が有効な道路交通特性を検討した。まずは、交通量と規制距離の組み合わせに着目し、現状よりも平均待ち時間や停止車両割合が減少する時刻表時間設定の有無を調べた。また、認知度ごとの道路交通特性に応じた適切な時間設定の有無を検討した。その結果、低い認知度においても時刻表の効果を発揮し、現状より良くなる時間設定を明らかにした。また、交通量と規制距離が適切な時間設定の有無に与える影響度を調べたところ、規制距離の方が影響の大きいことを明らかにした。この判別結果を用いることで、時刻表の有効な交通量と規制距離の組み合わせがわかる。 最後に、規制距離と認知度の組み合わせに着目し、現状よりも平均待ち時間や停止車両割合が減少する時刻表時間設定の有無を調べた。また、交通量ごとの道路交通特性に応じた適切な時間設定の有無を検討した。その結果、各交通量において、時刻表の効果を発揮し、現状より良くなる認知度を明らかにした。また、規制距離と認知度が適切な時間設定の有無に与える影響度を調べたところ、両方とも影響が大きいことを明らかにした。
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