研究課題
国際コンテナ港湾や国際ハブ空港等の国際交通インフラ整備は,一義的には国際輸送における輸送システムの効率化をもたらし,その政策評価の観点は主として,国を単位とする空間スケールでなされてきた.定量的な経済評価の代表的な手法である,空間的応用一般均衡(SCGE)分析や産業連関分析が国際輸送政策の効果分析に用いられる場合には,一国を一単位とする空間分割が標準的であり,それぞれの国の中の地域に対してどのような影響が及ぶかについては,国際間の経済分析と整合的な方法が開発されていなかった.空港や港湾などの国際交通基盤整備は国際経済のみならず国内各地域に影響を及ぼし,同様に,道路や公共交通などの都市レベルの交通整備も都市間競争や他国経済に影響を及ぼしうるが,従来の評価手法ではこれらを適切に扱うことが困難であった.本研究は,最新の研究知見を用いて従来手法の課題を解決し,国際交通基盤整備と国内交通基盤整備それぞれの効果の相互影響関係を考慮した,交通整備効果分析手法を構築した.具体的には,(1) データ欠損が見られる不完全な地域間交易データおよび経済計算データからSCGE(空間的応用一般均衡)モデルをキャリブレーションする一般化手法を確立した.(2) 集積の経済を明示的に扱い,任意の空間規模を扱うことが可能なSCGEモデルのシステムを構築した.
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. D3 (Infrastructure Planning and Management)
巻: 74 ページ: 82~100
10.2208/jscejipm.74.82
巻: 74 ページ: 203~216
10.2208/jscejipm.74.203
巻: 74 ページ: I_37~I_42
10.2208/jscejipm.74.I_37