研究課題/領域番号 |
16K06544
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
谷下 雅義 中央大学, 理工学部, 教授 (30242001)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自動車保有 / 自動車使用 / 走行距離税 |
研究実績の概要 |
本年度は軽自動車,普通乗用車およびトヨタ・プリウスが市場に投入されてから20年を迎え近年増加しているハイブリッド車に着目し,その保有および走行距離についての分析を行った.具体的には,国土交通省では2009年より世帯の乗用車の保有・使用に関するパネル調査を用いて,変量効果また告値のずれについて「重み」を考慮したモデリングを行ってハイブリッド車の保有と利用,買換えの実態を明らかにした.国土交通省による分析においても,自己申告値とオドメータ差双方の走行距離の「精度」の議論はなされておらず,そのずれを考慮して分析を行った点で新規性が高いと考えている.得られた知見は以下のとおりである. <保有>世帯主年齢が高くなるとハイブリッド車を保有する.その他,性別,子どもの数,免許保有者数,所得も影響を与えている. <利用>ハイブリッド車を保有している世帯は走行距離が4%ほど長い.車種によらず走行距離は年齢とともに短くなる.また年齢の他に鉄道やバスのサービス水準が走行距離に大きな影響を与えている.どの年齢階層においてもハイブリッド車の方が走行距離が長い. <買換え>走行距離が長い世帯がハイブリッド車に買換える. 課題としては,重みの設定の妥当性,ライフイベントを考慮した保有・使用の分析があげられる.その成果は,今年度の土木計画学研究発表会で公表する予定である.また軽自動車の保有・走行について,現在,Journalに投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1万台を超える乗用車の保有・走行のデータに基づき,分析を行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,道路の維持管理費用や外部費用についてのレビューを行い,走行距離税の制度設計について検討したいと考えている.また燃費と車両価格の関係についての分析も行いたいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
複数の研究課題への対応が必要であり,使用額が生じることになった.
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次年度使用額の使用計画 |
海外から研究者を招聘したり,自分から海外に向かい意見交換する場を設けたいと考えている.
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