研究課題/領域番号 |
16K06547
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
山本 義幸 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (10580508)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地理空間情報 / 投影 / 構造物 / 橋梁 / GNSS / プロジェクタ |
研究実績の概要 |
本研究は、図面情報を現地で直接投影して橋梁の変位計測を行える技術開発を目的としている。最終的には、投影条件(プロジェクタの解像度、投影距離)に対する投影精度(水平方向・鉛直方向の位置ずれ)をmm単位で明らかにする。 プロジェクタは、一般に、平面(二次元)への投影が前提の構造となっている。よって、三次元オブジェクトを投影する際は、三次元から二次元への座標変換計算が行われて二次元の投影像が生成され投射される。これに対して、本研究の投影は、同一平面ではない橋梁の桁や橋脚、橋台に直接投影する。すなわち、投影先(橋梁)は奥行きを有しており、そのまま投影すると位置ずれが起きる。これに対して、3DグラフィックスライブラリのOpenGLを利用して、奥行きを有する投影面へ投影するためのプログラムを実装中である。 本研究は、屋外でのプロジェクタ投影を前提としている。そこで、屋外での投影状況を調べるため、日中での投影実験を行った。比較的重量が軽く(3kg以下)2800ルーメンのプロジェクタで屋外で投影した。日中は明るいため、プロジェクタの投影像は全く確認できなかった。夕方ごろに、幾分、投影像が確認できるようになった。夜では、投影像がある程度視認できたが、mmレベルでの投影精度を確認するには、さらに光束が高いプロジェクタの利用が望ましいことが分かった。日中に6000ルーメンのヘッドランプを点灯した結果、比較的明るかったため、6000ルーメン程度以上のプロジェクタの投影の可能性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3DグラフィックスライブラリのOpenGLを利用して、奥行きを有する投影面へ投影するためのプログラムのアルゴリズムはできているが、実装がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)奥行きを有する投影面への投影プログラムの実装-3DグラフィックスライブラリのOpenGLを利用して、奥行きを有する投影面へ投影するためのプログラムを実装する。 (2)投影像の視認性の実験・検証-投影像を正しく確認できるか、異なる周辺環境・投影条件(投影距離、投影色)で実験し検証する。実験での投影結果を撮影した画像を処理して視認性を輝度値で明らかにする。先行研究を参考に、できるだけ多様な環境でも適用可能な動的な投影システムとする。 (3)プロジェクタを使用した橋梁の変位計測技術の開発・検証-ここまでで検証し作り上げた理論とシステムを基に、実橋梁を対象に計測技術を開発・検証する。特に、先行技術のトータルステーション(距離と角度の精密測量機器)による変位計測法と比較する。具体的には、各部材(橋桁、橋脚、橋台など)に応じた計測技術法を開発し長所・短所を明示する。位置誤差については、4cm以内を許容範囲とする。許容範囲に入らず計画どおりに進まない場合は、ProCamsの利用を検討する。しかしながらProCamsでは多方向にカメラを設置する必要が考えられ大掛かりになる可能性がある。そのため、できる限り、GNSSと傾斜計を使用した位置決定の誤差原因を特定し、許容範囲を満たす技術開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験で使用する器材(プロジェクタ、照度計)の仕様を確定できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
実験で使用する器材(プロジェクタ、照度計)を購入する。
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