研究課題/領域番号 |
16K06557
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
渡辺 亮一 福岡大学, 工学部, 教授 (50299541)
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研究分担者 |
浜田 晃規 福岡大学, 工学部, 助手 (30751870)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フルボ酸鉄シリカ / 干潟浄化 / ヘドロ / 光フェントン反応 / アサリ / 二枚貝 / 干潟再生 |
研究実績の概要 |
有明海に位置する長洲町干潟において、フルボ酸鉄シリカ資材を用いた干潟浄化に関する実証実験を実施している。これまでに得られている成果として、(1)フルボ酸鉄シリカ資材を投入することによって、干潟に堆積したヘドロの分解効果が促進すること。(2)フルボ酸鉄シリカ資材の投入間隔に応じて、浄化の進み具合が異なること。(3)フルボ酸鉄シリカ資材の効果継続期間を設定できるデータを得ることが出来たことの三点が挙げられる。 昨年度までに実施した実証実験成果より、フルボ酸鉄シリカの溶出濃度を測定する分析方法を開発し、その溶出濃度に応じたラボスケールでの実験も同時に実施し、これまでに実証現場において観察された事象を再現し、今後の実証研究に活かすことが可能になった。また、有明海内および豊後水道の別の干潟においても実証研究を開始しており、今回の実証地である長洲町干潟と同様な効果が発揮されていることを確認している。 今年度は、研究最終年度となるため、長洲町干潟での実証観測データを蓄積すると同時に、これまでに得られた基礎データに基づいて、同場所における再現性を最終確認していく方向である。これまでに得られている研究成果より、当初の干潟を浄化可能な能力に関しては実測することが出来たと考えられる。最終年度では、有明海での具体的な干潟再生計画の中で、どのような手法を用いて今回の研究成果を活かしていくかに関して研究を継続する中で確認し、来年度以降のより具体性を持った干潟再生法に関して知見を深めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた研究計画は概ね順調に達成されてきていると考えられる。特に、フルボ酸鉄シリカ資材の投入間隔および効果継続期間に関しては新たな知見が十分に得られていると判断した。また、マスコミでも大きく取り上げられ、NHKおよび福岡毎日放送等で広く紹介されている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の継続的な実証研究の中から、次年度以降に実施する予定である具体性を持った干潟再生手法を導き出す方向性を持って、今後の研究を進めていく予定である。 また、現在、実証研究を実施している長洲町干潟に加えて、新たに2か所での実証研究に既に取り組んでおり、研究最終年度では、これらの結果も含めた総括を行った行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在実施している実証試験区において、今年度もフルボ酸鉄シリカの効果的な投入方法に関して試行実験を繰り返している。このため、前年度に使用計画を立てていた分を今年度に追加投入した方がより効果的かつ効率的であると判断したため。
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