• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

最終処分場における焼却残渣の土壌還元化促進技術とその生物学的評価指標の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K06558
研究機関福岡大学

研究代表者

立藤 綾子 (田中綾子)  福岡大学, 工学部, 教授 (10131830)

研究分担者 平田 修  福岡大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00461509)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード土壌還元化 / 生態的安定化 / 土壌細菌の生残率 / 生物多様性 / Biolog試験
研究実績の概要

埋立1年後の焼却残渣のpHは11の高アルカリを示しているものの,埋立前のpH13より低下し,塩類濃度も0.02~0.2%と,埋立前の0.6~4.8%の約1/10以下に低下していた。一方,溶解性有機物量は主灰平均38μg/g,飛灰平均75μg/gで,主灰は埋立前の平均44μg/gとほぼ等しい値であったが,飛灰の有機物量は埋立前(飛灰平均183μg/g)の約半分に減少していた。これら化学性状から,1年間の降雨によってアルカリ性の塩類や飛灰中の有機キレート剤等が埋立層外へ流出し,減少していることがわかった。また、27年経過した焼却残渣と不燃残渣の混合廃棄物のpHは,埋立開始時点のpHと等しい値でほとんど低下が見られなかったが,Cl含有量はいずれの灰も0.01以下の低い値で,埋立開始時点の0.4~0.5%の1/50以下であったことから,27年間の降雨により混合廃棄物中に含有されていた塩類のほとんどが洗い出されていることがわかった。さらに, 表層では27年前の実験開始時点の溶解性有機物量300μg/g及び130μg/gに比べて多く、有機物の増加が見られた。表層では植物が繁茂し,一般に土壌形成段階に見られる植物遺体の分解による有機物の集積がみられた。以上のこと及びこれら廃棄物試料の一般細菌数が一般土壌の菌数レベルであったことやこれら試料中に添加した土壌細菌の生残率は1~30%で高く, 生物多様性レベルも高かったこと等から27年経過した焼却残渣試料は土壌還元化の最終段階にあると評価された。特に有機物の集積が見られた表層の廃棄物における土壌細菌の生残率及び生物多様性が高く, 生態的にも安定化しているものと評価された。pHや塩類濃度等の化学指標では埋立深さによる違いはほとんど見られないことから,生物指標は有効であることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 焼却灰主体の最終処分場における埋立廃棄物の土壌還元化評価のための微生物指標(4)~埋立経過年の異なる焼却残渣中の細菌群集と土壌細菌の生存率~2018

    • 著者名/発表者名
      立藤綾子 平田修 松藤康司
    • 学会等名
      第29回廃棄物資源循環学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi