研究課題/領域番号 |
16K06560
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研究機関 | 和歌山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
つる巻 峰夫 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (40413819)
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研究分担者 |
吉田 登 和歌山大学, システム工学部, 教授 (60263224)
森田 弘昭 日本大学, 生産工学部, 教授 (90355933)
山本 祐吾 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30379127)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 環境インフラ / 人口減少 / 過疎化 / エネルギーリサイクル / 有機性廃棄物 / 生活排水処理 / メタン発酵 / 低炭素社会 |
研究実績の概要 |
本研究は,近隣に中核となる都市を持たない地域(集落生活圏)において,人口減少や高齢化の条件においても継続可能であり,かつ,災害レジリエンス性を兼ね備えた環境インフラのシステムモデルを提案することを目的としている。3カ年の最終年度である本年度は,以下の調査・研究等を実施した。 下水道直投型ディスポーザー(以下,「DP」)に関する調査研究を行っている。本研究においてDPは,有機性廃棄物処理システムの改変の重要な要素と位置づけている。国総研が平成12~15年度において社会実験を行った北海道枝幸町歌登地区を対象に同町と共同でDP利用にアンケート調査を行った。また,下水処理,ごみ処理に関連する資料を収集して物質収支解析,GHG排出量の解析を行った。また,DP導入施設への聞き取り調査で確認している処理施設でBOD,SS等の負荷が増加しないことに関するメカニズムを解明するために管渠内での水質負荷挙動を検証する模型実験を実施した。 環境インフラのシステム提案としては,上述のDPによる下水道,可燃ごみ処理の連携処理システムの研究を継続した。これまで横型乾式メタン発酵を核としたシステムを,今年度はより含水率が低い状態で処理可能な縦型メタン発酵を核としたシステムを提案した。同時に汚泥濃縮車の導入などにより,汚泥再生処理センターにおける水処理機能が不要なシステムを提案できた。 災害レジリエンス向上に向けた検討では,固形廃棄物の処理と併せてし尿・浄化槽汚泥の処理機能について検討を行った。南海トラフ巨大地震を想定した和歌山県のケーススタディでは,発災後120日後までの発生量を予測して,県内だけの広域処理では概ね90日間は処理能力が不足することを明らかにして近畿圏での広域処理について線形計画法を用いて搬出~搬入計画を立案した。
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