研究課題/領域番号 |
16K06572
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷 昌典 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50533973)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | プレストレストコンクリート / プレキャストコンクリート / 耐震壁 / アンボンド / 限界状態 |
研究実績の概要 |
プレキャストプレストレストコンクリート造(PCaPC造)連層耐震壁の基本的な力学挙動,およびPC鋼材の付着性状がPCaPC造連層耐震壁の残留変形,損傷性状に及ぼす影響の把握を目的とした片持ち形式のPCaPC造連層耐震壁試験体に対する載荷実験について,試験体の構造性能に関する事前検討を行い,試験体設計を完了した。試験体の実験変数は,PC鋼材種(ボンドおよびアンボンド)とし,地震力に対する抵抗機構が明快なアンボンドPC耐震壁のみならず,実建築物への適用の可能性も勘案して,実験例が極めて少ないボンドPC耐震壁についても検討を行い,アンボンドPC耐震壁も含めて国内の設計体系に対応した設計法を確立することに主眼を置いたものとしている。試験体の設計に際しては,日本建築学会や米国コンクリート協会のPCaPC造耐震壁に関する設計規準・指針類や,2010年にE-Defenseで実施された実大4層PCaPC造連層耐震壁付き架構の振動台実験をはじめとする既往のPCaPC造耐震壁を対象とした実験研究に関する文献調査を実施し,載荷実験の試験体設計や載荷計画などの策定に活用した。具体的には,文献調査から得られた知見に基づいて,PCaPC造耐震壁における各材料(PC鋼材,コンクリートおよび普通強度鉄筋)の応力状態や損傷状態に対応した設計クライテリア(使用限界状態,修復限界状態および終局限界状態)を設定するとともに,試験体に適切なエネルギー吸収性能を付与するための普通強度鉄筋等を用いたエネルギー吸収デバイスの設計や,十分な変形性能を保証するための壁端部拘束筋の配筋詳細などの試験体詳細に反映させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では,平成28年度中にPC鋼材種(ボンドおよびアンボンド)を実験変数とした片持ち形式のPCaPC造連層耐震壁試験体に対して載荷実験を実施し,PCaPC造連層耐震壁の基本的な力学挙動を把握するとともに,PC鋼材の付着性状が残留変形,損傷性状に及ぼす影響に関して検討を行う予定であったが,耐震壁試験体の設計における事前検討の結果,試験体の設計変更が必要となり,試験体設計の修正および試験体詳細の確定に時間を要したため,年度内に載荷実験を実施することができなかった。以上より,本研究の進捗を「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に予定していた載荷実験を早急に実施し,得られた実験結果を分析するとともに,平成29年度に実施予定の載荷実験の計画を並行して進めることで,発生した遅れを解消する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では,平成28年度中にPC鋼材種(ボンドおよびアンボンド)を実験変数とした片持ち形式のPCaPC造連層耐震壁試験体に対して載荷実験を実施し,PCaPC造連層耐震壁の基本的な力学挙動を把握するとともに,PC鋼材の付着性状が残留変形,損傷性状に及ぼす影響に関して検討を行う予定であったが,耐震壁試験体の設計における事前検討の結果,試験体の設計変更が必要となり,試験体設計の修正および試験体詳細の確定に時間を要したため,年度内に載荷実験を実施することができず,次年度に繰り越すこととなった。以上の理由により,主に試験体製作および実験実施に関する費用に残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に予定していた試験体製作および載荷実験を残額分の予算を用いて早急に実施するとともに,平成29年度に実施予定の載荷実験の計画策定を並行して進め,前述の実験が終了した後に,今年度の予算を用いて引き続き載荷実験を実施する予定である。
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