研究課題/領域番号 |
16K06599
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
堤 拓哉 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 建築研究本部北方建築総合研究所, 研究主幹 (40462345)
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研究分担者 |
高橋 徹 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (10226855)
千葉 隆弘 北海道科学大学, 工学部, 教授 (40423983)
中島 肇 日本大学, 理工学部, 教授 (50754735)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 雪荷重 / 落雪 / 降雨 / 衝撃荷重 / 積雪モデル |
研究実績の概要 |
積雪期の降雨による雪荷重の増加および落雪による雪害リスクの評価に係る知見を整備することを目的に研究を実施し、以下の知見を得た。 1)冬季降水量に基づく積雪重量の評価のため、積雪重量と降水量の比較観測を行い、降水量の積算値は積雪重量の変化によく対応することが示された。北海道内のアメダス10カ所を対象に降水量と積雪重量の比較を行ったところ、風速による補正を行うことにより、両者の対応が良くなる傾向にあった。 2)小雪地域を対象に雨量計の種類および雨量計の受水口付近の風速に関わる気象観測地点の観測環境調査を行い、降水量と気温資料に基づく地上積雪重量の比較を行ったところ、風速の値が大きく評価されるために捕捉率が小さくなり、地上積雪重量が大きく見積もられるケースが確認され、地表面近傍で複雑な変化を示す風速の適切な評価が課題であることが分かった。 3)積雪モデルを用いて地上積雪重量の推定を行ったところ、融雪や降雨による積雪重量の変化を含めた評価が可能であることが分かった。 4)降雨後の落雪を想定した衝撃力の実験を行い、降雨後すぐに落雪すると衝撃力は雨が降らない条件と比べ約24%増加し、氷化した後に落雪すると衝撃力が2倍程度増加することが分かった。 5)北海道の多雪区域を対象に、過去30年間(1989-2019)の積雪時の降雨日数(積雪深20cm以上かつ降雨量10mm以上)を調べたところ、石狩・空知・後志地方において、積雪時に降雨となる日数が多い傾向にあり、札幌では100cm程度の積雪時にも降雨が稀に発生していることが分かった。
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