研究課題/領域番号 |
16K06601
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研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
研究代表者 |
石原 直 国立研究開発法人建築研究所, 建築生産研究グループ, 主任研究員 (50370747)
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研究分担者 |
小豆畑 達哉 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 上席研究員 (00251629)
柏 尚稔 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 主任研究官 (40550132)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 浮き上がり / 地震応答解析 / 振動台実験 / 動的相互作用 / 土槽 / 直接基礎 |
研究実績の概要 |
浮き上がり活用型建築構造は簡易かつ安価に地震時の負荷低減効果を得ようとするものである。本研究では地盤-構造物連成系の動的相互作用効果、非構造部材や床応答に関する研究代表者・研究分担者の知見を融合して、既往の研究を発展させる形で上部構造及び地盤の変形・塑性化を考慮した浮き上がり活用型建築構造の耐震設計に関して基礎的な検討を行う。具体的には浮き上がりに伴う地盤の局所的な変形を考慮した場合の上部構造の応答の特徴を把握するとともに、地盤の極限支持力に対するバランスを考慮した上部構造の適切な耐力設定に関する知見を得る。 平成29年度は、模型試験体を用いた振動台実験を実施し、地盤の変形による応答の特徴や上部構造の耐力と地盤の極限支持力とのバランスに応じた応答の差異を確認した。実験では地盤条件(砂質地盤と剛地盤(鋼製))、上部構造の耐力(線形、非線形)などをパラメータとした。実験結果として、(1) 剛地盤上で浮き上がり中に観察される顕著な高次振動が、砂質地盤上ではあまり見られなかったこと、(2)砂質地盤の一部に地盤変状が生じ、最終的にはわずかな沈下を含めた残留変位が生じたものの、転倒には至らなかったこと、(3)上部構造を非線形にした場合には基礎固定の条件では上部構造に大きな塑性変形を生じて傾きが残留したことに対して、浮き上がりを許容することによって塑性変形が抑制されたこと、などを把握した。 また、地震応答解析により、浮き上がりを許容した場合の上部構造の応答に関して分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた振動台実験を実施し、一定の知見が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は予定どおり、実験結果の分析を継続するとともに、地震応答解析等による補足的検討を行った上で、本研究のとりまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)現有の設備や部材等を活用し、自ら積極的に実験を実施したことで試験体製作経費や実験実施補助経費を抑制できたため。 (使用計画)予定した試設計のための経費や成果公表のための国際会議参加経費に使用する。
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