研究課題/領域番号 |
16K06604
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
清水 秀丸 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (70378917)
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研究分担者 |
若島 嘉朗 富山県農林水産総合技術センター, 富山県農林水産総合技術センター木材研究所, 主任研究員 (10446635)
石山 央樹 中部大学, 工学部, 准教授 (90634436)
長谷川 益夫 富山県農林水産総合技術センター, 富山県農林水産総合技術センター木材研究所, 主任専門員 (90446633) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 圧縮木材 / 面格子 / 耐力壁 |
研究実績の概要 |
本研究は研究段階を4ステージに分割し実施する。第1ステージでは、圧縮木材単体の形状復元挙動に関する研究、第2ステージは圧縮木材を用いた面格子壁の一部分を取り出した実験的研究、第3ステージは、実大の面格子壁の実験および力学的モデルの構築、第4ステージは、圧縮木材および面格子壁の耐久性評価とする。 平成28年度は、第1ステージ、第4ステージを中心に、その他のステージの研究も実施した。具体的な研究課題は、(1)圧縮木材を用いた接合部の最適化検討、(2)圧縮木材を用いた面格子壁の耐震性能評価、(3)圧縮木材および圧縮木材を用いた接合部の耐久性能検証とした。圧縮木材には、比重の低い木材が適するため、主にスギを主眼とした研究を実施するが、比較対象としてヒノキも用いた。 研究課題(1)では、接合部の形状に関する検討を行い、接合部内部に凹を設けることで圧縮木材が大変形時に移動するという問題点を解決することに成功した。また、圧縮木材の形状に関する研究も行い、圧縮木材のせいを低くすることで大変形時の移動が少なくなることを確認した。研究課題(2)では、実際の建物を対象とした耐震補強計算を実施し、面格子壁の耐震性能を確認するための静的載荷実験を要素試験体で実施した。要素実験結果は、計算値と概ね良い一致を示し、圧縮木材を用いた面格子壁の力学的モデルの構築に貢献することができた。研究課題(3)では、耐久性能検証実験場の検討を行い、沖縄県与那国島を試験候補地に選定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は平成28年度研究計画をほぼ満足する結果となり、研究の進捗状況は概ね順調であるといえる。 その理由として、平成28年度は、当初予定していた第1ステージ、第4ステージを中心に、具体的な研究課題を、(1)圧縮木材を用いた接合部の最適化検討、(2)圧縮木材を用いた面格子壁の耐震性能評価、(3)圧縮木材および圧縮木材を用いた接合部の耐久性能検証と設定した。研究成果は各ステージで概ね良いものが得られたが、研究成果(3)の耐久性能検証では試験地の選定のみとなってしまったため、「概ね順調」という評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、1年目の研究成果を基に3課題を所属機関が有する試験機材等を活用して試作・試験・評価の工程を継続する。特に(1)圧縮木材を用いた接合部の最適化検討、(2)圧縮木材を用いた面格子壁の耐震性能評価の課題を中心に研究を行い、圧縮木材の変位回復を活用した接合部および面格子壁の力学的モデル構築を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、当初予定していた第1ステージ、第4ステージを中心に、具体的な研究課題を、(1)圧縮木材を用いた接合部の最適化検討、(2)圧縮木材を用いた面格子壁の耐震性能評価、(3)圧縮木材および圧縮木材を用いた接合部の耐久性能検証と設定した。研究成果は各ステージで概ね良いものが得られたが、研究成果(3)の耐久性能検証では試験地の選定のみとなってしまったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、1年目の研究成果を基に3課題を所属機関が有する試験機材等を活用して試作・試験・評価の工程を継続する。特に(1)圧縮木材を用いた接合部の最適化検討、(2)圧縮木材を用いた面格子壁の耐震性能評価の課題を中心に研究を行い、圧縮木材の変位回復を活用した接合部および面格子壁の力学的モデル構築を検討する。また、平成28年度に生じた次年度使用額の原因である研究課題(3) 圧縮木材および圧縮木材を用いた接合部の耐久性能検証において暴露試験体を試験地に設置する予定である。
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