研究課題/領域番号 |
16K06605
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
濱田 靖弘 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40280846)
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研究分担者 |
桑原 浩平 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (40374582)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 熱環境 |
研究実績の概要 |
平成28年度は,ハイブリッドバッファデバイスの開発と評価,秒単位新エネルギー需要データベース構築と熱電併給システムの導入可能性,新人間環境評価手法の開発,の要素技術開発を主たる課題として,以下の要領で研究を行った. 課題1.ハイブリッドバッファデバイスの開発と評価 まず,(1)電気二重層キャパシタ(EDLC)と二次電池(Battery)の負荷追従特性評価,(2)ハイブリッド化のための適正容量比の設計,を実施した.次いで,(3)直流給電システムによる導入効果検証を実施した.パワーコンディショナによる交流変換を行わず,直流ベースで両者の容量比をシミュレーションにより推定するとともに,実証実験を実施し,導入可能性を評価した. 課題2.秒単位新エネルギー需要データベース構築と熱電併給システムの導入可能性 (1)国内各地域においてフィールド実測世帯を設定し,従来にない秒単位の電力・給湯等熱需要変動特性の実測を実施した.(2)実測結果のデータベース化を行い,需要量に加えて,変動速度,頻度分布等各種特性を定量的に把握した. 課題3.新人間環境評価手法の開発 (1)従来は,衣服の熱・水分移動特性を未発汗時の数値を用いて広く評価がなされてきた.本研究では,発汗による衣服の濡れを世界で初めて考慮したモデルを開発した.(2)心拍数,深部体内温度,平均皮膚温度等を同時に予測し,PMV等従来指標に替る新たなヒートファクター(HF)による評価手法の開発は世界初の試みである.HFはPMV(適用限界は-0.5~+0.5とされる)のような平易な熱環境評価尺度を提案手法に基づき新たに定義し,暑熱・寒冷環境まで適用可能とするものである.まず,定常状態におけるモデル開発を実施した.(3)心拍数・体温・体表温等を評価するための非定常解析ツールを開発し,居住者に応じた健康管理と環境安全構築モデルとして援用した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の通り,順調に研究成果の蓄積がなされている.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に得られた結果を基にして,以下の要領で研究を行う. 課題1.ハイブリッドバッファデバイスの開発と評価 (1)熱電併給・太陽光発電統合運転シナリオを構築すると同時に,(2)高効率新パワーコンディショナを設計する. 課題2.秒単位新エネルギー需要データベース構築と熱電併給システムの導入可能性 (1)熱電併給システムのラボ実験,(2)熱電併給システムのフィールド実測を実施する. 課題3.新人間環境評価手法の開発 (1)被験者実験による設定値データベース,(2)屋内熱中症・コールドショック予防方策を構築する.
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次年度使用額が生じた理由 |
学外分担者繰越:3Dプリンタによる温度計製作期間遅延のため
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次年度使用額の使用計画 |
上記温度計製作のため全額分担者執行予定
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