研究課題/領域番号 |
16K06625
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
村上 泰浩 崇城大学, 工学部, 教授 (10133563)
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研究分担者 |
矢野 隆 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (30109673) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 新幹線 / 鉄道騒音 / 社会調査 / アンケート / 騒音・振動測定 |
研究実績の概要 |
JR熊本駅を挟む北地区(5km)と南地区(12km)は、新幹線と在来線が隣接並行して走行する区間である。平成29年度は、南地区の熊本駅-宇土駅区間において、新幹線開通前後および在来線高架化前後における鉄道の騒音・振動測定ならびに沿線住民への社会調査をそれぞれ実施し、騒音・振動暴露量と社会反応(在来線と新幹線の暴露反応関係を比較すること、九州新幹線が沿線住民に与える影響およびその要因の把握)、新幹線や在来線の敷設状況の変化に対する社会反応の変化について分析した。 社会調査のためのアンケート作成を前研究で実施した社会調査アンケートを参考にアンケート内容を検討し、熊本地震関連項目を加えた本研究調査対象地区に適した内容に適宜追加・修正を加えたアンケート用紙を作成した(平成29年6月)。社会調査対象住宅に、調査員が調査依頼状を投函し、一週間後に訪問し、手渡しで調査票を配付し、調査主旨を説明した。不在等により回収できない場合は切手を貼った返信用封筒とともに調査票の郵送依頼状を郵便入れに置き、郵送にて回収した(平成29年7~9月)。騒音・振動の測定を行い各住戸の騒音・振動暴露量の推定は、基準点による24h測定データと住宅の密集程度、地盤面高さ等を考慮した距離減衰式を用いた。(平成29年8~11月)。 結果:南地区は新駅の開業後に在来線騒音の暴露量が低下したが、在来線騒音に対するアノイアンスは変化が無かった。また、新駅の開業後に、在来線騒音、新幹線騒音、総合騒音の全てでアノイアンス反応は上昇しており、総合騒音においては新駅の開業前後で暴露反応関係に有意差が見られた。これらのアノイアンス反応の上昇は地震による被害の大きさが影響していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
南地区での前回の調査は2011年であったため、当該地域の下見を行い、測定箇所の選定を再度行った。新駅が開設されたため、前回と同一箇所での測定が行えない箇所が生じたが、測定箇所を増やし、更に、集合住宅の騒音予測のための測定を追加した。 騒音・振動測定は予定通り実施できた。アンケート調査は、南地区が大学から離れ、また北地区に比べ広範囲なため、郵送による回収を主としたため、回答の回収率が低下した。 得られた騒音・振動データおよびアンケート結果を総合的に分析し、今年度は、国際会議1編、国内学会発表3編の成果発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、最終年度であるため、申請書計画の通りに、これまでに得られたデータを分析・検討し、国際会議、国際ジャーナルへの投稿を予定している。 2018年8月開催のinter-noise2018投稿済み。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート回収郵送費が予定額より安く済んだため、残額が生じた。 残額46,838円は最終年度の成果発表のための英文校正費用等に充てる予定である。
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