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本研究は、学校等からの音によるトラブルを未然に防ぐため「騒音苦情リスク評価」の提案を目的としている。アンケート調査・GISによる学校等の周辺環境の分析・騒音実測調査を行った。
アンケート調査は学校等教育施設・市民・役所を対象とした。学校等教育施設アンケート（保育幼稚園・小中学校）は長野県の３都市（長野市・松本市・上田市）と大都市の３都市（横浜市・名古屋市・大阪市）で実施した。音に対する苦情は、長野県が約3割、大都市が6割で寄せられていた。音の苦情内容・学校生活・地域交流などの回答から、音に対する苦情状況とその対応を検討した。市民アンケートは学校等教育施設と同じ6都市を対象に、周辺状況・周辺からの音・公共施設の建設反対などを調査した。建設の反対者と歓迎者では、近所との付き合い方・音に対する許容などに差があることが確認でき、年齢・職業などとの相関も検討した。役所アンケートは、全国の市役所の教育委員会（小中学校）と保育課（保育幼稚園）に対象とした。音とその他の苦情状況、建設反対などについて回答から、音の苦情が他の苦情より特段多いとは言えないことが確認できた。さらに、教育施設との対応の連携や建設反対の状況を検討した。
GISでは、アンケートを実施した教育施設と市民アンケートの地域・地区の周辺状況（人口密度・周辺施設など）を用いて、アンケート結果との関係の分析を行った。音の苦情の発生が特定できる部分と住民の個人特性の影響がある事が確認できた。
騒音実測調査では、保育園と幼稚園を対象に園庭で遊ぶ園児の声と活動音の測定と園児の数の調査をおこなった。騒音レベルを予測する場合は、園児の活動場所の設定の影響が大きく影響することが確認された。園庭面積や遊具の配置を考慮した予測が重要であった。
騒音苦情の要因は、教育施設の周辺環境より、建設に反対する居住者の有無が影響していることが示唆された。
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