研究課題/領域番号 |
16K06634
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
丁 志映 千葉大学, 大学院工学研究科, 助教 (90463835)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | シェアハウス / 多家族 / 建築制度 / 多世代 / 共助 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、平成24年度から27年度まで、申請者がJSPS科研費(研究課題番号:24560735)の助成を受けて実施した「シェアハウス制度の国際比較による日本のストック型社会システムモデルの構築」の研究調査で得られた成果に基づいて、日本型モデル化に向けた検証を行う。独自なシェアハウス政策や制度を展開している、フランス、ベルギー、スペイン、韓国における調査から、関連法制度と契約方式、募集方法、運営・管理主体と協力体制、シェア居住タイプ、建築確認申請方法、空間構成と使われ方、近隣と居住者間交流程度、改修方法等が明らかになった。これらの諸国の制度や成立条件等を用いて、日本においても適用できるかどうかについて検証する。さらに、NPOや推進団体との協力体制で、空き家や空き部屋へのシミュレーションを実施し、共助性のある新たな多世代・多家族向けの《日本型普及シェアハウスモデル》を構築することである。 そのため平成28年度は、次のように4ヶ国のシェアハウス制度の国際調査結果に基づく検証モデルの仕組みづくりを行った。 1)既に調査が完了した4ヶ国におけるシェアハウスが生じる社会経済的背景と法的・制度的側面を再解明し、日本におけるシェアハウスの一般化に向けての促進要因や阻害要因を見出し、日本において適用可能かどうかについて検討を行った。 2)これらと並行して、モデルを検証するために、住宅類型、地域性、シェアハウスの事業主体と目的、空間特性、住宅ストックの活用方法などを考慮し、高齢者・片親・若者の居住者および事業者に対して、検証モデルのニーズ調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画であった多世代・多家族のシェアハウス制度のニーズ調査を実施し、日本全国における新しいシェアハウスを類型化するという成果を得た。また、事業実態と傾向などについて解明できた。 その成果を踏まえて、学術学会の大会での研究成果発表や招待講演を行い、共著者が若手優秀発表賞(日本建築学会)を受賞した。また、申請者は2016年度研究奨励賞(日本マンション学会)を受賞した。さらに、専門家向けの教育講座と本(共著)を出版した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、シェアハウスのDIY型事例の居住者および事業主への満足度調査実施する。また、NPOなどの非営利団体によるマッチングおよびアフタケアの実施範囲等を調査し、各検証モデルの適用可能性等を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
多世代・多家族向けのシェアハウスタイプの事例が少なく、それに伴い新たなシェアハウス制度のニーズ調査に対する回答者数が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
そのため、研究協力者と調査対象地および検証対象地を検討し、訪問調査などを増やして未使用額はその経費に充てる計画である。
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