研究課題/領域番号 |
16K06646
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
有馬 隆文 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (00232067)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 中心市街地 / 賑わい / イベント / 福岡 |
研究実績の概要 |
平成28年度では、長崎市・大分市に、福岡市も対象地に加えて予備調査をおこなった。その結果、イベント空間の都市的評価の項目として、アクセス(近接性)、周辺環境(波及性)、隣接環境(視認性)の3項目を重要項目として選定できた。 平成29年度では、前述した3項目を表現する指標群を改めて設定し、前年度の予備調査の結果を踏まえて本調査を実施し、地理情報システム上に調査データを入力して分析と考察をおこなった。また併せて、イベント主催者やイベント会場管理者を対象とした調査を実施したが、インタビュー調査においては当初想定したような賑わいに寄与できるような都市的知見は得られなかった。前年度の研究成果および科学研究費採択前の関連研究の成果をとりまとめて、平成29年度建築学会大会梗概集に研究成果を発表した。また、研究対象都市のなかでイベントが最も多く実施されていた福岡市の調査結果が分かりやすいものであったので、福岡市をケーススタディとして取り上げ、平成29年度3月の日本建築学会九州支部研究報告会で分析結果を発表するとともに、平成30年度に開催される日本建築学会大会梗概集に2編の梗概を投稿した(平成30年度に発表予定)。 これらの一連の報告において、イベント空間の都市的評価を数値とマップによって表現する手法を提案し、福岡市の12か所のケーススタディを相対的に比較し考察することで、相互の評価を明らかにすることができた。さらに、人口規模がこれまでの3都市と比較して、やや少ない都市をサンプルに加えたほうが良いと判断したため、アクセスが容易な久留米市を研究対象に追加し、久留米市において調査を進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
福岡市・大分市・長崎市を対象とした物理的環境の本調査は問題なく終了している。一方、イベント主催者やイベント会場管理者を対象としたインタビュー調査では、想定したような回答が得れなかったが、この調査も終了している。福岡市の物理的環境の調査結果は昨年度、建築学会九州支部において発表しており、順調に研究成果を公表している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度では、都市規模が小さい久留米市をサンプルに加えて分析・考察を行い、最終的に,イベント空間の都市的視点による計画・デザインの要件を明らかにする。また、専門家に計画・デザイン要件を提示し、研究成果の妥当性を定性的にも確認し、研究を総括する。ここまで得られた研究成果をとりまとめて学術論文雑誌に投稿する。
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