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2017 年度 実施状況報告書

防災計画技術史としてみる有明海沿岸低平地の集住地形成と空間システム

研究課題

研究課題/領域番号 16K06647
研究機関佐賀大学

研究代表者

後藤 隆太郎  佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00284612)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード集住地(集落・市街地) / 前近代と近現代 / 低平地 / 防災 / 計画技術 / コミュニティー / 有明海沿岸部
研究実績の概要

a:計画技術に着目した低平地の集住地形成史(前近代~近代史)関連
有明海沿岸干拓地では主に集居が基本であるが、散居形式も存在する。今回特にこれまで研究のなかった明治期以降に形成された散居集落「社搦」の空間システムについて調査研究を実施、特に民間等による段階的形成やそれらの屋敷構成や農地所有方式等の差異について考察した。また、西欧からの計画・技術手法の導入に関して、オランダの都市史研究者と意見交換を行い、オランダでの当該文献や研究状況、また佐賀にてH30年度7月に公開研究会等を実施する予定となった。
b:現代の基盤継承型の集住地形成にみる特性と課題(近現代+計画課題の抽出)
佐賀県小城市を中心に調査研究を実施し、新旧住民によるコミュニティー形成の特性と課題について、1)旧宿場を起源とする拠点地区(牛津地区)の中心と郊外について、空間形成プロセスを把握し、異なる空間特性や社会状況などの本質的差異を明らかにした。2)特に中心部の空き家空き地化の実態と住民組織との共同調査により、防災力を担う住民組織の縮退、未利用地に再利用の課題を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

・これまで複数の集住地を対象に空間実態等の調査データを獲得しているが、全体の枠組みの中での相互関係や地域全体の総合化の作業、また、補完すべき集住地の確認と追加調査等も必要が必要である。
・特に、史的文献資料等の入手が難しいことが当初の想定以上であり、それを踏まえた研究方法(例えば集住地形態と微地形や地質資料の参照など)の検討、また、古地図の再分析などにより、時系列的な整理のための方策を今後検討する必要がある。
・関係して、一部の研究成果公開はできているが、研究の取りまとめや論文投稿や成果公開の取り組みが予定よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

a:計画技術に着目した低平地の集住地形成史(前近代~近代史)関連
1)これまでの研究を振り返り、時系列的にまた集住空間別に全体整理を行う。2)特に、史的文献資料等の入手の難しさを乗り越える研究方法(例えば集住地形態と微地形や地質資料の参照など)の検討、また、古地図の再分析などにより、上記の概略年代等の推定などに反映させる。3)また、有明海沿岸部の広域的な理解のための流域別や地域(旧支藩別など)の区分の導入を検討する。4)オランダの研究者との研究交流を進め、比較検討の知見、また我が国の低平地における防災技術の移転等について、資料収集を継続する。
b:現代の基盤継承型の集住地形成にみる特性と課題(近現代+計画課題の抽出)
1)近代的な防災事業後の住民組織や活動について調査し、かつての自治的防災力の変質(減退)等について考察する。2)近年の集住地(住宅造成)等について、その現況調査および計画課題について考究する。

次年度使用額が生じた理由

・旅費について、近隣中心であり当初予定よりも減額された。また、次年度に、オランダ(アムステルダム)等への調査旅費等として使用する。
・その他の費用が、当初予定を次年として、論文のとりまとめや投稿費などが当初予定よりも少なく、減額となった。これらについて次年度に継続して実施、使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 水害への対応に注目した低平地における集落空間の特徴- 有明海沿岸部(牛津川下流域)を対象に-2017

    • 著者名/発表者名
      後藤隆太郎,阿比留博之
    • 雑誌名

      Proceedings of 7th International Symposium on History of Indigenous Knowledge

      巻: 7 ページ: 203-207

    • 査読あり
  • [学会発表] クリークのまち 再発見2017

    • 著者名/発表者名
      後藤隆太郎
    • 学会等名
      日本建築学会文化週間2017九州支部シンポジウム

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公開日: 2018-12-17  

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