研究課題/領域番号 |
16K06659
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
筧 淳夫 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (30370951)
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研究分担者 |
石田 祐 宮城大学, 事業構想学部, 准教授 (20455554)
水野 信也 静岡理工科大学, 総合情報学部, 准教授 (60714524)
藤澤 由和 宮城大学, 事業構想学部, 教授 (70387330)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / シミュレーション / 防災 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究は、日本の地域における医療機関および関連施設などの相互関係をネットワークとして捉えた上で、我が国の医療機関および関連施設などが災害時においてこうしたネットワークを通して、どのような形でその機能を維持し、継続しうるのかと言う点に関しての理論モデルの構築およびその実証的な検証を行うことを目的とした。さらに、こうした点を踏まえ、個々の医療機関および関連施設がその機能を維持しうるため必要とされる具体的な対応にはどのような要件が求められるのかと言う点に関する基礎的な知見を提示することを目的とした。 具体的には、全国の二次医療圏ごとに、医療機関を中心に関連する諸施設の情報を収集し、それらの繋がりを地域ネットワークとして表現することを第一段階とし、第二段階として、これらのネットワークにおける繋がり度をシミュレートすることにより、各ネットワークの脆弱性および頑強性レベルを明らかにすることが可能となるとの仮説を構築し、くわえて、医療機関の機能に着目し、どのような具体的な状況において、機能が維持、継続しうるかを明らかにすることを試みた。 そのための具体的な作業として、シミュレーションに必要なデータ収集に関しては、二次医療圏を構成する各市町村の人口データなどの基礎的データの収集を行うと同時に、災害拠点病院、その他の医療機関(病院)、診療所などに関しての情報を収集した。またシミュレーションのための準備作業としては、その実施のためのデータベースの構築を実施した。 。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において本年度は、次年度以降本格的に実施を予定しているシミュレーションのための基礎的データの収集とそれに基づいたデータベース構築等を主な実施項目としていた。これらに関しては、概ね予定していた作業が行われることとなり、当初、想定していた収集データ項目に関しても概ねカバーできたと考えられる。 ただし、複数のデータ項目に関しては、補足的かつ追加的なデータの収集が必要な状況が生じており、これらに関しては次年度以降、早急に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度においては、シミュレーションに必要なデータ収集とそれに基づいたデータベースの構築を踏まえ、実際にシミュレーションを実施するところであるが、当初想定していた地域ネットワーク(二次医療圏等)内の拠点間の推移確立に焦点をあわせるモデルをより発展させて、現実に近いものとするために、災害時におけるネットワーク(二次医療圏)ごとの患者対応能力の比較を複数の優先度を持つ待ち行列理論を援用し、ネットワークごとの患者処理能力として比較する形を組み合わせることにより実施する。 こうしたネットワーク(二次医療圏)ごとの比較により、どのような医療機関がどれだけ二次医療圏に存在するかという点だけではなく、それらにより構成される地域単位のネットワークの患者処理能力が見いだされることにより、より具体的な災害時における医療体制のための基礎的知見が提示しうると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していた収集データ項目に加えて、より現実的なシミュレーションモデルを構築するために、追加的な形でデータの収集が必要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
補足的なデータの収集を行うための資料収集および情報収集等に関わる費用として使用する予定。
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