研究課題/領域番号 |
16K06663
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
崔 彰訓 東京理科大学, 工学部建築学科, 助教 (60611134)
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研究分担者 |
伊藤 拓海 東京理科大学, 工学部建築学科, 准教授 (50376498)
石田 航星 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 助教 (80647090)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 3Dモデル / 写真計測 / デジタル・ファブリケーション工法 / 補修工法 |
研究実績の概要 |
写真測量技術の進歩に伴い、スマートフォンやデジタルカメラで習得した動画や写真から精緻な3Dモデルを作製することが可能となっている。また、コンピュータ上で設計した3Dモデルや加工図に従って、部品の作成や加工を行う、3DプリンタやNC加工機、レーザーカッターが入手しやすくなっている。このような背景を基に、3次元計測、3次元設計、3次元加工を一気通貫で行う新工法の検討が建築分野においても必要になる。最近よく聞かれる“デジタル・ファブリケーション ”という技術は、欧米を中心に、ものづくり産業の振興策として、重点施策化する動きが活発化している。さらに 3D プリンタなどの登場により、低コストと短時間でものづくりが手軽にできるようになった。基本的にはデジタル・ファブリケーション技術を用いて要求するものの製作に活用しているのが現状である。特に、損傷箇所に対する補修技術としてデジタル・ファブリケーション技術の適用と、その適用可能性などについて、今後、建物のメンテナンス分野での新技術としての整備も必要とされる。 申請者は、損傷した鋼部材の修復工法に関する研究に取り組んでおり、特に、補修工法の作業分析などを行い、作業手順や作業時間などの検討に関する研究を行ってきた。この一連の研究によって、修復性に関わる補修工法などのノウハウを蓄積してきた。これに対して本研究では、 構造材に限らず、建築物の外装・内装材も対象として、補修に関わる研究を行い、補修工法の提案と実証的な検討を目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度においては、計測技術としては写真測量ソフトを使用し、3次元モデルを現実世界に出力する方法としては、3Dプリンタ(石膏型)とレーザーカッターの2通りを検討した。具体的には、写真データから3Dモデルを作製する方法の確認や、3D-CADで作成したデータを基にレーザーカッターを用いて、部品を作成し、作成した部品の作成精度を写真測量技術によって再度、確認するための実施手順の考案を行った。 2016年度の実施として、3Dプリンタ(石膏型)とレーザーカッターによる、設計・加工・検査を行った。また、4X4X4mmの立方体モデルを製作し、真ん中のブロックをへこましてそこから生じる穴の深さと大きさ(体積)を確認し、穴を埋める体積を3Dモデルで把握した。さらに、鋼材などの曲がっている状態(座屈)を確認し、元の状態からの変形を3Dモデルから把握できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究初年度には、 破損箇所の 3D モデルを作成する技術について研究を行い、破損個所の再現などを3Dモデル上で把握できた。引き続き、今後の研究の推進方策として以下となる。 設計 CAD データと計測データの比較による補修部位の認識技術 [2-1] 破損箇所の 3D モデルと設計 CAD モデルとの重ねあわせ手法 [2-2] 3D モデルから破損部位と形状を正確に求める手法 [2-3] 補修部材が嵌合可能であるか検討する手法 初年度の研究から損傷個所を補修するための技術として上記の3つの項目について研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の予算から備品(PC)を購入する際、安く購入ができ、その分使用額が残る結果となりました。
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画としては、PCをもう一台購入し、シミュレーション(3Dモデル化するのにかなり時間が所要する)に力を入れ、研究の進捗に役に立てたいと考えております。
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