研究課題/領域番号 |
16K06673
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
吉田 友彦 立命館大学, 政策科学部, 教授 (40283494)
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研究分担者 |
式 王美子 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (10512725)
本塚 智貴 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 人と防災未来センター, 研究員 (40751152)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インドネシア / 低層 / 住宅地 / 就業地 / 通学 / 空間計画 |
研究実績の概要 |
西ジャワ州ジャカルタ大都市圏郊外の地方小都市スカブミ県における土地利用計画と交通インフラの整備実態に関わる諸問題についての検討を行った。低層住宅地の土地利用がなされるエリアにおいて、「Ojek」と呼ばれるバイクタクシーのインフォーマルなサービスが発達していることから、Ojekの運転手が集積・待機する特定地点をターミナルと定義し、ターミナルに待機する運転手の数と低層住宅地既成市街地の面積の関係性の分析を行った。それぞれのターミナルからの半径が250メートル、500メートル、1000メートルに含まれるバッファ内において住宅系土地利用がどの程度観察されるのかを検討したところ、1000メートルにおいて最も有意水準が高かったことから、本研究ではOjekの利用圏域を半径1000メートル程度と考えるのが妥当であろうと結論付けている。この内容はHadi and Yoshida(2017)に収録された。 また、低層住宅地の事例選定のための探索的検討として、カリマンタン州バンジャルマシン市における低層住宅地の視察を行った。ランブンマンカラ大学工学部の協力の下で、低湿地の多い当該市における住宅地の分布状況を把握するため、河川沿いの集落地区を訪問調査した。さらに、2016年11月にはインドネシアの低層住宅地で一般的に見られる敷地内の緑化状況について、立命館大学大阪いばらきキャンパスにおいて研究セミナーを実施した。住宅敷地内において、20㎡以下の緑地規模が44%、20から50㎡が37%を占め、これらが全体の8割以上を占めていることの実態報告と、この現象の空間計画上の意味付けについて議論がなされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Hadi and Yoshida(2017)を公表し、本課題における当該年度の研究実施計画の主な項目の一つが達成されたため。
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今後の研究の推進方策 |
住宅地の実態調査は概ね順調に進んでいるものの、行政計画「空間計画(Spatial Plan)」自体の収集がやや遅れていることから平成29年度においては、これの収集や共有について進めて行く必要がある。研究の過程として、低層住宅地の事例収集から計画を検討するという過程を経つつあるが、逆の行程すなわち空間計画の収集から事例を考えるという方向性も必要であることから、国家機関での空間計画の位置付けに関する文献についても収集を進める必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画されていた物品が他の経費により調達でき、かつデータ入力作業などの人件費使用が抑制され、物品費と人件費の未使用が発生したため。
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次年度使用額の使用計画 |
物品の調達および必要なデータ収集のために旅費を伴う調査を重点的に実施する。とりわけ、通勤・通学のアンケート調査等のデータ収集量を増やすことで、次年度内における適正な使用を図る。
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