研究課題/領域番号 |
16K06673
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
吉田 友彦 立命館大学, 政策科学部, 教授 (40283494)
|
研究分担者 |
式 王美子 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (10512725)
本塚 智貴 明石工業高等専門学校, 建築学科, 助教 (40751152)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | インドネシア / 低層 / 住宅地 / 就業地 / 通学 / 空間計画 |
研究実績の概要 |
1年目はジャカルタ大都市圏郊外のスカブミ県における土地利用計画と交通インフラの整備実態に関わる諸問題についての検討を行った。低層住宅地の土地利用がなされるエリアにおいて、Ojekと呼ばれるバイクタクシーのインフォーマルなサービスが沿道から一定の距離圏域で運営されている実態を分析した(Hadi and Yoshida, 2017)。2年目は、低層住宅地の通勤特性の分析のために同県の工場リストを入手してその地理分析を行うと同時に、大工場の女性労働者が安価なバイクタクシーを通勤利用している実態を明らかにすることにより、インフォーマル交通と工場の関係性を一体的に考えることの重要性を指摘した(Hadi and Yoshida, 2018)。また、ディポネゴロ大学のパンデラキ博士を研究員として招へいしつつ、スマラン市の空間計画の収集を進めた。当初の想定通り、スマラン市空間計画第7条にあるような「コンパクトで効率的な都市空間利用実現のための戦略」といった抑制的な開発規定が存在していることを確認した。しかしながら実態としては、空間計画における大工場の立地制限の遅れがインフォーマルなバイクタクシーやバスサービスの需要を生み出しながら安価な労働力を供給し、それがさらなる中小工場の立地を促して慢性的な交通渋滞を引き起こすという悪循環があることを示した。 最終年は、これらの結果をもとにインドネシア専門家との意見交換を進めた。2018年10月に立命館大学地域情報研究所において都市土地管理に関するインドネシア公務員の研修プログラムが実施されたことから住宅公共事業省らの専門家と、11月にガジャマダ大学行政学部クモロトモ博士、12月にはパンデラキ博士らとの意見交換を行った。主に、2年目の公刊論文をもとに研究の位置付けの検討を行ったため、公刊論文や発表は少なめで、個々の研究打ち合わせを重ねる形となった。
|
備考 |
本研究に関連して、吉田と式は2018年10月15日から19日にかけて立命館大学大阪いばらきキャンパスにおいて開催された都市土地管理に関する研修プログラムにおいてインドネシア住宅・公共事業省や各自治体職員らに講義を提供するとともに、土地利用計画および住宅事業について各自治体の専門家と今回の研究結果を含めて意見交換を行った。
|