本研究はわが国の空き家解体除却事業と跡地利用の実態を調査し,今後の空き家の解体除却事業と跡地整備の総合的な整備施策に資する基礎的知見を得ることを目的としている。 具体的には,自治体主体型の事業(長崎市老朽危険空き家対策事業:46件)と,自治体補助型の事業(呉市危険建物除却促進事業:587件,高崎市解体助成金制度:563件)を対象に,老朽危険空き家の解体除却の概要と解体後の跡地整備の実態を現地調査やヒアリング調査を通じて明らかにした。自治体主体型と自治体補助型の解体除却事業の成果については事業や地域により長短があるが,今後の解体除却事業と跡地利用の両者を総合的に進めていくための諸課題を示した。
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