本研究では、近世から近現代に至る連続的な時間軸のなかで、富士山の山岳建築に関する歴史的文脈を捉えることができる。この研究成果とこれまでの研究蓄積(日本アルプスの山小屋建築に関する調査研究)との比較によって、信仰を基盤とした山岳建築の特性を示すことができ、日本山岳建築史の構築に向けての新たな知見を得ることができる。また、この研究成果は、世界文化遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」において、山小屋の修景・整備を検討する際の基礎的資料となり、富士山の文化的景観を継承していくための手がかりを提供することができる。
|