研究課題/領域番号 |
16K06691
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
大内田 史郎 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 准教授 (40739190)
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研究分担者 |
澤岡 清秀 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (40245642)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ドイツ / 中央駅 / ハウプトバーンホフ / 歴史的建築物 / 保存 / 再生 |
研究実績の概要 |
本研究は、ドイツのハウプトバーンホフ、すなわち、ドイツの主要都市に設置された鉄道の中央駅を対象とし、それぞれの駅舎のデザインや空間構成の特徴、各都市の中での役割や位置付け、開業に至るまでの経緯並びに駅舎とホームの変遷や関係性などについて、「建築」「都市」「鉄道」という3つの異なる視点から調査を行った上で、最終的には、歴史的建築物が残存している中央駅の駅舎の保存および再生や活用の方法を明らかにし、我が国の駅舎における歴史的建築物の保存・再生に寄与することを目的とするものである。 平成29年度は、平成28年度に引続き残存が認められた中央駅の一部について現地で概略調査を行った。具体的にはドイツ西部・北部に位置する、ケルン・メッセ/ドイツ駅、デュースブルク中央駅、デュッセルドルフ中央駅、ハノーファー中央駅、ハンブルク中央駅の5駅について実施した。概略調査の具体的内容としては「建築」「都市」「鉄道」という3つの異なる視点を重視し、まず「建築」的視点から開業当時と現在の駅舎に関する建築概要の把握を行い、次に「都市」的視点から各都市におけるハウプトバーンホフの役割や位置付けを検証した上で、さらに「鉄道」的視点から駅舎とホームの変遷や関係性に関する整理を行った。 また、これまでの成果を「ドイツの中央駅における歴史的建造物の保存・再生に関する研究(その2)ドレスデン中央駅とライプチッヒ中央駅について」(2018年度日本建築学会大会・学術講演会研究発表梗概)としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歴史的建築物の残存が認められた中央駅のうち、平成28年度はドイツ南部に位置する、カールスルーエ中央駅、シュトゥットガルト中央駅、ニュルンベルク中央駅、フランクフルト中央駅の4駅について、平成29年度はドイツ西部・北部に位置する、ケルン・メッセ/ドイツ駅、デュースブルク中央駅、デュッセルドルフ中央駅、ハノーファー中央駅、ハンブルク中央駅の5駅について、それぞれ現地で概略調査を実施した。 また、これらの中央駅の創建時の歴史について詳しいM.Berger著の『Manfred:Historische Bahnhofsbauten Ⅱ』, Transpress Verlag, 1988(独語)と『Manfred:Historische Bahnhofsbauten Ⅲ』, Transpress Verlag, 1988(独語)の該当部分に関する翻訳作業を実施し、概略調査の基礎資料とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成28年度と平成29年度の概略調査の結果から中央駅の絞り込みを行った上で、現地での関係者へのヒアリング調査等も実施することによって鉄道の経営や路線との兼ね合いにも触れながら、開業から現在に至るまでの沿革と変遷や、鉄道機能の拡充や事業展開に伴う開発に関する手法についても整理を行い、最終的には建築史的観点を軸としながら歴史的建築物である駅舎の保存及び再生や活用の方法を明らかにすることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 都合により研究分担者が調査に参加しなかったため。 (使用計画) 平成30年度の旅費及び翻訳料に充当する。
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