平成30年度は主に(1)英国公文書館所蔵のアーネスト・ウイリアム・ジェームス資料の入手・分析、(2)オーストラリア国立図書館所蔵のハロルド・ウィリアムズ・コレクションの写真資料の整理および撮影場所の特定作業、(3)アーネスト・ウィリアム・ジェームスによる外国人住宅地の拡張計画案(戦後の第二次開発計画)の分析、(4)戦中戦後の外国人住宅地の居住者の実態調査、接収時および接収解除後の返還とその後の不動産売却に到るまでのプロセスの解明、(5)本研究で収集した地図・写真資料を中心とした研究報告書の作成、および地域住民対象の報告会での発表、という5つの作業を行った。 (1)英国公文書館に保管されているジェームス山に関する資料を入手し分析した。 (2)昨年度までに収集した写真の撮影場所の明らかにするため、複数の写真資料と図面を突き合わせて、おおよその場所と時期を特定した。 (3)ジェームスの遺族が所有していたジェームス山戦後拡張計画案を分析し、その論文を日本建築学会大会にて発表した。 (4)本研究の報告書「ジェームスと塩屋 時代に翻弄された外国人住宅地」を刊行した。報告書は主に塩屋の住民を対象とする報告会「しおやあれやこれや vol.11」にて配布するとともに、「わたしたちのしらないジェームス山」(2019年3月3日)と題して研究内容の概要について報告した。
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