研究課題/領域番号 |
16K06710
|
研究機関 | 新居浜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
安里 光裕 新居浜工業高等専門学校, 数理科, 教授 (20353261)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 第一原理計算 / FPKKR法 / CVM / 状態図 / 原子間相互作用 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、材料研究・開発におけるナノレベル以下での組織制御についての理解や物性予測に不可欠となる状態図を理論計算(第一原理計算)から高精度に予測(あるいは再現)するための研究手法の開発と物性予測への応用を行うことである。 これを実現するために、フルポテンシャルKKR法(FPKKR法)とクラスター変分法(CVM)を組み合わせて、局所格子歪効果と遠距離原子間相互作用を正確に扱う自由エネルギーの計算手法、および、そのプログラムコードを開発し、あわせて、合金状態図や新物性予測のための計算を実行することを計画している。 本年度は、合金状態図の計算に必要な自由エネルギー(内部エネルギー + エントロピー)の計算に対して、内部エネルギー項はFPKKR法による内部エネルギーのクラスター展開法を用いて記述し、エントロピー項はCVMを用いるやり方でプログラムコードを作成している。2体を超えた多体相互作用、および、第2近以遠の相互作用エネルギーの効果も正確に取り入れることがポイントであること、および、配置エントロピー効果のみでなく、振動のエントロピーについてもその効果を検証できるようにしている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラムコードを作成し、Pd系合金の状態図について4体までの多体相互作用エネルギーまで取り扱った予備的な計算を実行した。次年度には論文発表ができる予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、無視のできない大きさの遠方の2体相互作用について、第3近接以遠の遠距離原子間相互作用を正確に取り入れるためのプログラムコード作成を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費を安くできたこと、打ち合わせの回数を年度当初の計画より少なくすることができたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
国際学会にて発表予定であるので、その旅費に使用する。
|