研究課題
電磁力や爆薬の爆轟により、数マイクロ秒オーダーの短時間で衝撃圧接された異種金属接合界面には、通常の溶融接合や固相接合では見られない非平衡相で構成される中間層が形成されることがある。本研究では、従来取り組んできた衝撃圧接機構に関する研究成果をベースに、衝撃解析手法と熱解析手法をリンクさせ、衝突点における両金属成分の分散(混合)挙動、衝撃圧接界面における圧力上昇と温度上昇、その後の熱拡散による冷却(温度低下)挙動をシミュレーションし、これを実際の衝撃圧接界面と突き合わせることで、異種金属衝撃圧接界面における非平衡相の形成機構を解明することを目的としている。平成28年度においては、異種金属(Al/CuならびにAl/Fe)を爆発圧接法および電磁力衝撃圧接法の両手法を用いて高速傾斜衝突させ、接合界面の波状模様や中間層の形状、組成、構造を調べた。また、衝撃圧接挙動を構成する3つの過程、すなわち爆薬の爆轟や電磁力による板材の衝突過程、波状界面の形成過程と接合界面の温度上昇過程、接合界面の冷却ならびに凝固過程をおのおの再現する数値解析モデルを考案し、これらを使用して異種金属衝撃圧接界面における物質移動と温度変化を再現した。平成29年度は、Al/Fe衝撃圧接界面について詳細な調査を行い、接合界面には、AlとFeが直接接合した部分に加え、局所融解部が急冷された凝固組織を呈する中間層や、金属間化合物粒子が分散した、AlとFeが溶融することなく機械的に混合した中間層が形成すること、そして中間層の形態や界面での存在比率が接合条件によって変化することを見出した。平成30年度では、電子顕微鏡による組織観察やX線による組成分析等の実験結果と数値解析により明らかにした接合界面近傍の物質移動と圧力や温度変化を考慮することによって、爆発圧接ならびに電磁圧接接合界面の中間層の形成過程について総合的に考察した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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