本研究では,複雑な溶接プロセスの熱源特性を捉えるための三次元発光分光法を開発した.非軸対称かつ非定常な様相を呈する溶接アークプラズマに対し,その複雑な三次元温度分布や金属蒸気分布を求めるための,トモグラフィに基づく多色多方向同時計測装置を構築した.本研究においては,シールドガスプラズマと金属プラズマ混在するガスメタルアーク溶接(ミグアーク溶接,炭酸ガスアーク溶接,マグ溶接)を対象に,様々な移行形態における溶接アークの特性を実験的に明らかにした.それぞれで計測に用いるプラズマの線スペクトルは異なるものの,温度などの算出理論をそれぞれで構築し,確立することができた.
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