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今世紀の「ものづくり」を持続させ，それを次世代へと繋げるためには，現在よりも一層の省エネルギ化，低コスト化を実現させながら生産活動を実施することが強く望まれている．その中の一つに，構造物などを溶接・接合する技術がある．その中で，摩擦熱を利用して固相状態で部材同士を接合する摩擦圧接法は，主として回転運動を利用して部材同士の接合を行うことから円形断面形状部材の接合に適しているが，非円形断面形状部材の接合には適していないという問題点がある．本課題は，研究代表者がこれまでに提案してきた回転式摩擦圧接における低入熱摩擦圧接法や接合自己完了型摩擦圧接法を提案するために制作してきた接合実験装置に組み込んできた様々な工夫やノウハウを生かし，非円形断面形状部材の接合も容易な往復直線運動を利用した低入熱線形摩擦圧接(LFW)装置を開発し，これまで明らかにされていないLFW現象の解明を行うとともに低入熱状態で接合できる異種異材継手が容易に作製できる接合手法の提案を行うものである．
その中で本年度は，将来の異種材の組み合わせに対してLFWを適用するための基礎データを得るための様々な検討を行った．まず，実際にLFWが容易に実施できる装置メカニズムの提案を行い，その装置を用いて高分子材料や金属材料が接合可能であることを示した．これにより，LFW現象を詳細に観察できる目処を付けた．また，昨年度と同じく純CuとAl合金，Al合金とステンレス鋼の組み合わせ，さらにはAl合金と鉄鋼材料との組み合わせについても取り組み，そして，これらの組み合わせを通じて異種材料のLFW現象の解明につながる回転式摩擦圧接の接合メカニズムに関する各種データの取得を行った．これらを通じ，LFW現象を解明するためのある程度の基礎データの集約を行った．
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