研究実績の概要 |
本研究では、物理的複合処理法である低温プラズマ処理法やイオン注入法を用いたカチオンとアニオンのコドープ処理技術の開発によりペロブブスカイトや酸化チタン表面・界面ナノ構造を制御することで、有機無機ハイブリッド太陽電池の光電変換効率を向上させるための表面・界面特性や表面バンド構造の最適化を図ることを検討した。平成28年度の本研究では、ペロブスカイト型太陽電池の高効率化を目的として、ペロブスカイト型太陽電池におけるTiO2 層、ペロブスカイト層及びp型有機半導体の界面に対する低温プラズマ処理やイオン注入処理などの物理的・化学的処理による改質効果を検討した。低温プラズマ処理には現有する申請者らが開発したイオン注入装置付属のベルジャー型低温プラズマ装置を使用した。平成29年度の本研究では、ペロブスカイト型太陽電池の高効率化を目的として、ペロブスカイト層-TiO2 層およびペロブスカイト層-spiro-MeOTAD 層の各層間の界面特性を改善する目的で、低温プラズマ処理により酸化チタン(TiO2)電極およびペロブスカト層表面の物理的エッチング効果や水酸基を生じる化学的処理効果により、短絡光電流(Jsc)の増大および開放端電圧(Voc)の増大を検討した。また、TiO2 電極へのカチオン(Zr2+等)ドープ処理、アニオン(N)ドープ処理によって開放端電圧(Voc)、短絡光電流(Jsc)および光電変換効率(η)の増大を検討した。さらに、平成30年度の本研究では、カチオン(Zr2+,)ドープ前処理した後、アニオン(N)ドープ後処理によって開放端電圧(Voc)及び短絡光電流(Jsc)の増大を検討した。(カチオン/アニオン)コドープ処理によって調製されたTiO2 電極やペロブスカイト層を使用して作製した太陽電池の光学特性を評価することで光電変換効率の向上のメカニズムを詳細に検討した。
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