これまで、{332}<113>変形双晶の前駆現象については、モデル実験や結晶学に基づいた理論計算などが行われてきたものの、直接的な実験手法により詳細を解明した例はない。これに対して、本研究では、その場中性子回折実験を行うことで、応力誘起α"マルテンサイト相がその前駆体となることを初めて実験的に明らかにした。この成果は、学術的に極めて意義が大きい。 また、本研究の成果に基づいて提案した塑性変形機構制御を可能にする新しい合金設計法を利用することで、これまでにはない、極めて優れた強度-延性バランスおよび疲労特性を示す合金の実現が可能となる。
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