研究課題
Mg-Zn-Y合金はアルファMg 母相とそのセル界面にラメラ状に晶出した長周期積層構造LPSO(Long-Period Stacking Ordered) 相からなる二相Mg合金であり、高強度と高延性を併せ持ち、耐熱性や耐食性、不燃性にも優れているため、自動車や航空機産業への実用化が期待されている。本研究では、超音波疲労試験技術を利用して、この新奇なLPSO相を強化相とするMg合金の超高サイクル疲労における強度発見機構の解明を目的としている。具体的には、(1)ギガサイクルにおける疲労強度特に10^9サイクルまでの疲労強度、表面連続観察による微小き裂発生および伝ぱ挙動、走査型電子顕微鏡による疲労破壊解析と、(2)STEM観察およびEBSD結晶方位解析を行い、微小き裂発生および初期伝ぱに及ぼす微視的組織特に双晶やキンク変形の影響を調査した。その結果、以下に示す結論を得た。1.疲労寿命の大半はき裂発生及び初期き裂伝ぱで占められる。2.き裂発生は底面すべりに起因しており、レアアース元素の偏析が影響していることが確認された。3.溶質原子の偏析が変形誘起界面に沿って生じた。4.ツインバウンダリーは圧縮中にLPSO構造と溶質原子によって偏向された。
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