研究実績の概要 |
被膜/基板界面の組織観察と組成分析: Ti-Nb-Ta-Zr合金の結果では,合金表面における酸化反応には,Tiと異なる価数を持つ合金元素の拡散の関与が示唆されており,界面付近には合金元素濃化相が 存在することが示されている.また,金属/酸化物界面構造は,純Tiのそれと比較しても組織連続性をもった酸化物生成が見られる.Ti酸化膜微細構造形成に及ぼすNb添加の役割を調査したところ,Nb添加による高温酸化組織の形成は2元系平衡状態に準じて相分離し,TiO2単相からTiO2+TiNb2O7へ2相分離することで組織緻密化と界面における空孔形成の抑制がおることが判った.そこで,Nbと原子半径がほぼ同じTaの添加を確認するため,Ta濃度を系統的に変化させたTi-Ta合金を作製し,その高温酸化挙動を調査した. Ti-xTa合金(x = 1, 5, 10, 15, 18, 20, 23, 25, 30, 40, 50 mol%)を, Ar雰囲気中でアーク溶解法にて作製し,保持温度1273 K, 保持時間3.6 ksの条件で大気中で酸化させた.XRD測定より, 酸化相は x = 1, 5でTiO2(Rutile), x = 10 ~ 50でTiO2(Rutile)及びTa2O5と同定された. 組織はx ≦ 15ではポーラス構造をとり, x ≧ 18では緻密な組織となった. x ≧ 10 ではTaの濃化層が認められた. 膜厚はx ≦ 10でTa量の増加に伴い減少し, それ以降は増加した. 剥離強度は x = 18, 20で最大値約60 MPaを示し, それ以外の組成では低い値を示した. これらの結果から,30%以下のTa添加による相分離組成や組織変化,それに伴う剥離強度のTa濃度依存性はTi-Nb合金とほぼ同じである事が明らかとなった.Ti-Nb-Ta-ZrのようにNbと共に合金化することで,
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