研究課題
基盤研究(C)
本研究では、固体酸化物燃料電池の特性向上を目指して、材料開発に取り組んだ。そのため、まずは既存材料を用いて、燃料極・電解質基板を安価に合成するための、材料開発に取り組んだ。その結果、まず10㎝角の燃料極基板の開発に成功した。次に、燃料極と電解質が一体となった、外径21mmのコインセル基板の開発に成功した。これらの基板を用いて、空気極材料の開発に取り組んだが、残念ながら、既存物質を上回る新材料の発見には至らなかった。今後は開発した基板を用いて、空気極材料の新物質探索に取り組む予定である。
固体物理学 材料工学
固体酸化物燃料電池は、発電効率が理論上80%に達する、最もエネルギー効率の高い、クリーンな発電システムである。しかしながら、動作温度が700℃以上と高温なため、普及は進んでいない。固体酸化物燃料電池の低温動作を実現するためには、既存物質の特性を上回る、新しい空気極材料の開発が求められている。本研究で得られた、燃料極・電解質の一体型基板を安価に製造する材料開発の成果により、今後も更なる研究成果が期待できる。