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2016 年度 実施状況報告書

同じ回転運動を遠心力印加と高周波加熱に用いた高温遠心システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K06805
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

小野 正雄  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (50370375)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード高周波加熱 / 機械的周波数 / 遠心加熱
研究実績の概要

我々は、強い遠心力を利用して合金等の組成や結晶構造の制御が可能であることを示したが、遠心機ロータは昇温とともに遠心強度が低下するため、対象物質を物性発現に乏しい低融点合金に絞らざるを得ない状況である。
本研究では、遠心力印加時の遠心機ロータの高速回転運動に着目し、静磁場中で非磁性の遠心機ロータを高速回転させることで内包試料のみ誘導加熱して、遠心力印加と高温加熱を両立させる前例のない高温遠心システムの実現を目指している。特に、機械的周波数で前例のない高周波加熱を扱うものであり、その実現により、物性発現が大いに期待できる遷移金属からなるような高融点合金の組成や結晶構造の遠心制御が可能となり、新規物性開拓の道が開かれるものと期待している。
H28年度は、実験を行うための高温遠心システムの構築を進めた。具体的には、最高8kHZまでの高速回転が可能なMAS用遠心システムを準備し、遠心カプセル内試料と遠心カプセル間の断熱方法の検討を行った。
MAS用遠心システムは、終端に樹脂製の羽根車がついた円筒状のジルコニア製遠心カプセルを空気軸受で保持した状態で圧縮空気を用いて回転させる構造となっている。本研究で目指す加熱方法では、試料のみが加熱されるため、遠心カプセルの遠心強度に影響が無い温度に収まるように試料とカプセル間の断熱を行うことが成功のカギとなる。テスト試料としてφ5mm x 5mmtのPb試料を準備し、φ5mm x1mmtのサファイア板で挟み込み、カプセル内径と同じφ6mm x 1mmtの断熱材の土台で保持し、試料外周に0.5mmtの断熱材を巻く仕様とした。この仕様で目標の3kHzまでの回転が得られることを確認した。断熱材を巻く際、遠心カプセル内の重量バランスが崩れない巻き方ができた時しか回転できないことが課題である。
次年度は、磁場発生装置の環境を整備して加熱試験を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験室の移転に伴い、自由に利用できる予定であった強磁場発生装置が使用停止状態となり、マシンタイムの確保が出来ない状況が生じている。当該強磁場発生装置は、H29年度中に再稼働予定である。

今後の研究の推進方策

強磁場発生装置の再稼働まで加熱試験ができないため、それ以外の開発要素である温度計測方法にかかる開発等を進める。

次年度使用額が生じた理由

実験室の移転に伴い、自由に利用できる予定であった強磁場発生装置が使用停止状態となり、マシンタイムの確保が出来ない状況が生じ、当初計画よりも研究計画にやや遅れが生じたため、一部の物品購入計画に変更が生じた。また、試料容積を増やせる可能性を見出しため、本年度は、当初計画よりも半径が大きな遠心システムを用いて開発を進めた。この検討のために、当初計画で予定した遠心システムの購入計画を次年度にずらした。以上の理由から次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

H29年度中盤までに、適用する遠心システムの半径を決定できる見込みであり、決定次第速やかに購入に踏み切る計画である。

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公開日: 2018-01-16  

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