材料の組成制御や構造制御は新奇物性発現への定石アプローチであり、超高圧、超強磁場といった極限環境場を用いた新奇物質合成研究が積極的に行われている。新たな極限環境場として強い遠心加速度場の適用を目指すのが我々の取り組みであるが、物性材料を研究対象とするには、1,000℃で地上重力の20万倍以上の遠心加速度場の発生を可能にする必要があった。本研究で開発した同じ回転運動を遠心力印加と高周波加熱に用いた高温遠心システムでそれが原理的に可能であるため、今後、物性発現が大いに期待できる遷移金属からなるような高融点合金の組成や結晶構造の遠心制御による新規物性開拓が期待される。
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