• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

浮遊溶融凝固における準安定相創製クライテリオンの実験的検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K06807
研究機関千葉工業大学

研究代表者

栗林 一彦  千葉工業大学, 附属研究所, 客員研究員 (70092195)

研究分担者 小澤 俊平  千葉工業大学, 工学部, 准教授 (80404937)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード無容器溶融凝固 / 過冷却 / 準安定相 / multi-ferroic material
研究実績の概要

代表者は,LnFeO3(h-LnFeO3, Ln:希土類元素)において過冷却融液からの凝固により準安定六方晶LnFeO3(h-LnFeO3)が生成されることを初めて報告し,Ln, Fe, Oのイオン半径の関係からh-LnFeO3が得られる条件としてTolerance factor(t)<0.87を提唱した.この条件を満たすLnは, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luの8元素 であり,実際,これらの元素ではh-LnFeO3の生成が観察される.ただし,室温まで凍結されるのはt=0.84のLuFeO3のみであり,他のLnでは冷却中に安定相である斜方晶に変態することも明らかにした.すなわち室温においてh-LnFeO3を得るには,t<0.84が必要であることも分かった.さらに,同様の幾何学的考察からh-LnFeO3が得られるtの下限値として0.82を導いた.本研究ではこの仮説の妥当性を証明すべく,Ln一部をLuよりもイオン半径の小さいScに置換することにより,見かけのtを減少させた試料についてガス浮遊炉による無容器過冷却凝固実験を行った.
結果は,Ln(1-x)ScxFeO3についてxを0.1刻みで調べたところ.Luでは0<x<0.5の範囲で,Ybでは0.2<x<0.5の範囲で,Tmでは0.3<x<0.5の範囲で,そしてErではx=0.45に調整した試料においてのみh-LnFeO3相が凍結された.Scのイオン半径Scrを91pmとし,Lnサイトの平均イオン半径を(1-x)Lnr+xScrとしてtを計算すると,LuFeO3においてh-LnFeO3が凍結されるxの上限値0.5の試料ではtは0.82となり,予測と符合する結果となった.同様にYb,Tm,Erでにおいてもそれぞれ0.82,0.82,0.83となり上述の幾何学的考察に基づいた仮説の妥当性が明らかとなった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 浮遊溶融凝固法を用いたLnFeO3(Ln:Lanthanide) - ScFeO3系の非平衡・平衡状態図の作成2018

    • 著者名/発表者名
      高先純也,栗林一彦,宮部達也,早坂燿,小澤俊平
    • 学会等名
      日本マイクログラビティ応用学会第30回学術講演会
  • [学会発表] 浮遊溶融法によるGeおよびGe-1at%Snの急速凝固挙動2018

    • 著者名/発表者名
      栗林一彦,小澤俊平
    • 学会等名
      日本マイクログラビティ応用学会第30回学術講演会
  • [学会発表] Rapid Crystallization of Levitated and Undercooled Ge and Ge-Sn2018

    • 著者名/発表者名
      K. Kuribayashi
    • 学会等名
      12th Asian Microgravity Symposium
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi